活動理念・行動指針・コミュニティへの声明

活動理念・行動指針・コミュニティへの声明

制定:2026年5月 / 一般社団法人 日本手話文化協会

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経営企画・
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第1章 活動理念・使命

1-1. 協会の目的

一般社団法人 日本手話文化協会(以下「本協会」)は、手話を「完全な自然言語・文化」として社会に位置づけ、ろう者と聴者がともに豊かに生きる社会の実現を目的として設立された団体です。本協会は、手話の普及・文化的振興・国際交流を通じ、社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)の推進に貢献することを使命とします。

1-2. 活動の3本柱

01講座・
教材
ろう者講師による手話講座・教材制作

担当:ネイティブろう者(4名)

手話講座および教材制作はすべて、ろう者講師がメインを担います。

手話講座ではナチュラルアプローチ法を採用しています——文法の暗記や翻訳から入るのではなく、ろう者が日常で使う自然な手話表現に直接触れることで、コミュニケーション力を体感的に育てる教授法です。

02通訳者
育成
手話通訳専門チームの結成と通訳者の輩出

担当:手話通訳資格者(2名)

本協会は手話通訳者との専門チームを結成し、手話通訳スキルの向上および次世代の手話通訳者の育成・輩出に尽力しています。

03教育
導入
手話の義務教育導入に向けた活動

担当:アカデミー実行チーム(ろう者6名/難聴者6名/聴者5名)

手話を義務教育の現場に導入する活動を精力的に推進しています。神経科学・認知科学の国際的な研究が示すように、手話は聴力に関わらずすべての子どもの脳発達・言語理解・非認知能力の向上に効果をもたらします。

1-3. 手話に対する基本認識

本協会は、手話を「コミュニケーション補助手段」としてではなく、音声言語と神経科学的に同等の完全な自然言語かつ固有の文化として捉えます。

1-4. 私たちのチームについて

本協会のプロジェクト運営チームは、ネイティブろう者が過半数を占めています。活動の企画・制作・意思決定のあらゆる場面に手話を母語とするメンバーが中心的に関わっています。

50%+
ネイティブろう者チームが
過半数を占めています
企画・教材・講座に参加
共創
ろう者・難聴者・聴者が
対等なパートナーとして協働
どちらかが「指導」する構造ではありません

活動理念に関する基本声明

手話はろう者の固有の言語・文化として生まれ発展してきたものであり、その歴史と文化的背景に対して深い敬意を払います。同時に、手話を学び・使い・広めようとする聴者の関わりもまた、社会の多様性を豊かにする行為であると位置づけます。

本協会は、ろう者の声を活動に反映させながら、ろう者・聴者がともに対話し共に育つ関係を目指します。対等なパートナーとして手話文化の発展に貢献することが、本協会の目指す姿です。

第2章 行動指針(5原則)

本協会は、以下の5つの行動指針のもとで活動します。

PRINCIPLE 01

手話文化への深い敬意

手話はろう者の歴史とともに育まれてきた固有の言語・文化です。その背景と価値を深く理解した上で活動します。敬意は義務ではなく、本協会の出発点です。

PRINCIPLE 02

対等な対話と共同制作

ろう者・聴者を問わず、すべての関係者が対等な立場で意見を出し合い、ともに活動を作ります。「教える・教わる」ではなく「共に育つ」関係を大切にします。

PRINCIPLE 03

正確性・文化的誠実性の確保

手話の表現・解説・映像制作において、ろう者ネイティブの監修を受けます。

PRINCIPLE 04

説明責任

本協会の活動目的・意思決定の根拠を公開し、いただいたご意見・ご批判に誠実に向き合います。

PRINCIPLE 05

継続的な学習と対話

手話・ろう文化に関する本協会の理解は常に発展途上です。ろう者・聴者双方からのフィードバックを歓迎し、気づきを活動改善に活かし続けます。

第3章 活動ガイドライン

3-1. 手話活動の基本指針――4技能5領域

手話は視覚と身体表現を基盤とする言語です。本協会の活動は、単語の暗記や形式的な再現にとどまらず、実際のコミュニケーションで使うことを目的とした以下の4技能5領域をバランスよく育成することを基本とします。

SKILL 01 見る

視覚的理解

手の動き・表情・体の使い方を正確に捉える。視覚情報から意味を読み解く力を養う。

SKILL 02 読み取る

Reception(受容)

相手の手話の流れを理解し、文・文脈・全体の意味を掴む。音声言語のリスニングに相当する技能。

SKILL 03 表す(会話)

Expression-Interaction(やり取り)

相手の表情や手話に応じながら、自分の考えや気持ちをその場で伝える双方向の表現力。

SKILL 04 / 05 表す(発表)・書く

Expression-Production & 記録

スピーチ・講座・映像などで意図を整理して伝える力と、学んだことを文字・映像で記録し蓄積する力。

※ 音声ではなく視覚(目で見る情報)からアプローチし、対面でのコミュニケーション意欲を高める実践的な活動を推奨します。

3-2. イベント運営/映像・コンテンツ制作に関するガイドライン

  1. 手話を母語または日常言語として使う専門家・実践者と内容・進行を共同構築する。
  2. 会場・映像・テキストにおけるアクセシビリティ(字幕・手話通訳・文字情報)の確保に、できる限り努める。
  3. イベント収益の一部を手話教育の普及・コミュニティ活動の支援に還元する仕組みを設ける。
  4. 参加者アンケートには「手話使用者からの声」を集める項目を設け、次回の改善に活かす。
  5. 手話表現を含む映像・教材は、ネイティブサイナー(手話を母語とする使用者)による監修・最終確認を経て公開する。

3-4. 海外での活動に関するガイドライン

  1. 活動対象国・地域の手話コミュニティ・関係団体と事前に連携し、現地の言語・文化・社会的文脈への理解を深めた上で活動する。
  2. 現地の手話使用者を素材として扱わず、共同制作者・意思決定の参加者として位置づける。
  3. 日本手話の表現様式を現地の手話に一方的に当てはめず、各地域の手話をそのまま尊重する。
  4. 現地コミュニティへの経済的・社会的還元の計画を活動前に明示する。

第4章 コミュニティへの声明

2026年5月 制定

ろう者・難聴者・聴者の皆さまへ ―― 本協会の立場と姿勢について

一般社団法人 日本手話文化協会は、ネイティブろう者と共に手話文化の普及・国際交流に取り組む団体です。活動の企画・制作・運営のあらゆる場面に手話を母語とするメンバーが中心的に関わっております。

手話はろう者の言語・文化として長い歴史の中で育まれてきたものです。本協会はその歴史と背景を深く尊重しながら、ろう者・難聴者・聴者がともに対話し、共に育つ場をつくることを目指しています。

本協会は次の姿勢で活動します。

  1. 本協会はろう文化を「代弁」したり「管理」したりする立場ではありません。ろう者・聴者それぞれの視点を尊重しながら、共に活動を作ります。
  2. 活動に関連する皆様からのご意見・ご批判は、活動をより良くするための大切な声として受け取り、事実を丁寧に確認した上で、迅速かつ誠実に対応します。
  3. ろう者当事者が活動に参画しやすい体制づくりを継続し、多様な声が反映される組織を目指します。
  4. 手話文化の発展において、ろう者・聴者のどちらかが主導するのではなく、互いの強みを活かした協働を大切にします。
  5. 本協会への対話・ご意見・ご協力の申し出をいつでも歓迎します。ろう者・聴者・難聴者を問わず、手話に関わるすべての方々との誠実な対話を通じて、より良い活動を作り続けていきます。

一般社団法人 日本手話文化協会
代表理事 藤乃

■ 営業妨害行為に対する法的対応について

本協会の活動理念・行動指針に反し、関係団体・取引先・協力者等に対して執拗な働きかけや虚偽の情報流布等、営業妨害に当たる行為が行われていることが判明しました。
本協会は、当該行為を不法行為(民法第709条)および業務妨害罪(刑法第233条・第234条)に該当しうる行為として重大に受け止めており、法的措置を含むあらゆる対応を講じる意思があります。
引き続き証拠の収集・保全を行うとともに、必要に応じて弁護士への相談および司法機関への申告を行います。

2026年5月 一般社団法人 日本手話文化協会

第5章 よくいただくご意見と当協会の考え方

本協会には、以下のようなご意見をいただいています。それぞれに対する本協会の考え方をお示しします。

ご意見聴者が手話事業を展開することは、ろう者の雇用機会を奪っているのではないか。
A本協会のプロジェクト実行チーム構成としてネイティブろう者が過半数を占めており、聴者主体の構造にならないよう、企画・制作・意思決定のあらゆる場面に手話を母語とするメンバーが中心的に携わっています。また、手話の専門性を必要とする業務(通訳・監修・出演・講師など)においては、手話話者・専門家を優先的に起用し、情報保障を重要視しています。具体的な懸念がある場合は、ぜひご連絡ください。
ご意見聴者が「手話を広める」ことは、ろう文化の搾取・消費にあたるのではないか。
Aこの点については、本協会も慎重に考え続けているテーマです。手話の普及活動がろう者不在のまま「消費」される形にならないよう、活動の設計段階からろう者の方々に参画いただく体制を整えています。一方で、手話を学び社会に広めようとする聴者の関わりそのものを「搾取」とは捉えていません。活動の進め方に具体的なご懸念があれば、ぜひ対話の機会をいただければ幸いです。
ご意見ろう者コミュニティが十分に関与していないのではないか。
A 本協会は、ろう者・難聴者・聴者が対等に関わり、共に企画を創り上げることに根本的な価値を置いています。

たとえば、手話の森マルシェでは、出展者に対して手話を母語とする方とのペア出展を義務づけており、ろう者・難聴者・聴者が文字どおり「隣に並んで」同じ場を作ることを仕組みとして担保しています。

また、沖縄国際手話祭の誘致活動においては、現地のろう協会・関係団体・聾学校への参加依頼を最優先事項と位置づけ、当事者コミュニティが企画の中心にいる状態から開始することを徹底しています。
ご意見手話のもたらす脳機能や運動機能への効果のわかるエビデンスはあるのか。
A 国際的な査読付き学術誌に掲載された研究によって、以下の3点が実証されています。

① 脳の発達促進
手話の学習・使用は言語野・運動野・視空間認知野を同時に活性化し、神経可塑性を誘発します(Scientific Reports, 2025 / PNAS, 2023)。

② 記憶の定着向上
ジェスチャーを伴う学習は音声のみの学習と比較して、4週間後の記憶定着率が最大52ポイント高いことが示されています(Cognition, Goldin-Meadow, 2007)。

③ 指先の巧緻性・運動機能の向上
精密な手指運動は体性感覚皮質の神経地図を拡大し、握力・協調性・空間知覚を同時に改善することが報告されています(Science, Elbert, 1995)。

📄 エビデンス資料 ダウンロード(PDF)JSLCA-EV-2026-002

第6章 継続的改善コミットメント

本協会は、活動ガイドライン・理念の実践状況を定期的に点検し、改善を継続します。

取り組み事項頻度・目標担当
ろう者当事者との定期協議・意見聴取年2回以上代表理事・運営委員会
活動報告・収支報告の公開年1回(事業年度終了後3か月以内)事務局
コンテンツ・映像のろう者監修確認公開前に都度実施制作担当・監修ろう者
ガイドラインの見直し・改訂年1回以上(または重要な指摘があった場合)運営委員会
ご意見・ご批判への回答記録の保存・公開随時(公開可能なものは本ページに追記)事務局

第7章 お問い合わせ・ご意見窓口

本ページの内容、本協会の活動全般に関するご意見・ご批判・ご質問は、下記窓口までお寄せください。ろう者の皆さまからのご意見には特に丁寧に対応いたします。

お問い合わせ窓口

一般社団法人 日本手話文化協会 事務局
メール:contact@jslca.fujino-official.com
受付時間:平日 11:00〜16:00(土日祝・年末年始を除く)
※手話・筆談でのご連絡も歓迎します。
※いただいたご意見は、担当者が責任を持って確認し、原則として10営業日以内にご回答します。